
EVE Frontierの開発チームが、2026年のロードマップに関する創設者(Founder)からの質問に答えるライブストリーム「Frontier Friday」を開催しました。CCP Yoden、CCP Bowman(ゲームディレクター)、CCP Goodfellow(開発ディレクター)の3名が、ゲームの現状と今後の展望について率直に語りました。
モジュラーシップシステムの詳細
Q: モジュラーシップの導入により、今後ほとんどの艦船がモジュラー設計になるのか?クラスやサイズによる制限はあるのか?
開発チームによると、Frontierの派閥によってアプローチが異なるとのこと。一部の派閥は大量生産と適応性を重視したモジュラー設計を採用し、他の派閥は単一の美しいデザインを重視した特注(bespoke)設計を採用します。これは現実世界の戦車や自動車の設計哲学の違いに似ています。
モジュラーシステム内ではクラスとサイズに基づく制限が設けられる予定ですが、プレイヤーが自分の船を最大限カスタマイズできる柔軟性を提供することが目標です。
ゲームメカニクスの透明性向上
Q: Rift O20サイトなど、特定のゲームメカニクスの明確性を向上させるために何が行われているのか?
開発チームは、何を謎として残すべきか、何を明確に説明すべきかのバランスを模索中であることを認めました。長期的なパズル要素として残すべきコンテンツと、平均的なプレイヤーが理解しやすくすべきコンテンツのバランスを取ることが課題です。
特にRiftシステムについては、新しい「Rift fuel crude system」を開発中で、3月に最初のバージョンがリリース予定です。このシステムについては専用のストリームで詳しく説明される予定です。
開発スケジュールと優先順位
Q: ロードマップに示された内容が多すぎる。実際のスケジュールは?
CCP Goodfellowは、2024年12月のリリースから2025年3月までの開発スピードがFrontier史上最速であることを強調しました。ロードマップで示されたもののほとんどが3月にリリースされる予定で、モジュラーシップは唯一の例外として遅れる可能性があります。
開発チームは、これまでの作業の多くが「足場作り」であり、現在は実際の「建物」の構築段階に入っているとしています。Empireのカット進行システムなどの基盤が整ったことで、今後のコンテンツ追加が加速する見込みです。
ロア(物語)の進展
Q: ロアの進展について何も言及がなかった。Zeroriのルーン文字は良かったが、途中で止まってしまった
これに対して開発チームは「Hold my beer」と回答。近日中に大きなロア関連のアップデートが来ることを示唆しました。12月から3月の間、チームはゲーム内により多くのクールなコンテンツを投入することに注力しており、ロア要素もその一部です。
Founder特典とスキンシステム
Q: モジュラーシップ設計において、Founderアクセス特典のスキンはどう機能するのか?
CCP Goodfellowは、特注艦船用のスキンは提供され、モジュラーシステムには機能性だけでなく外観のカスタマイズも含まれると説明しました。
ただし、スキンシステムの実装は、まず高品質なテクスチャとパイプラインの構築が必要であり、それが完了してから本格的なスキン開発が行われます。Founder報酬は全て維持されることが明言されました。
クリエイターマークとブロックチェーン
Q: 製造したアイテムや艦船にクリエイターマークを付けることは可能か?
開発チームは、所有権と製造者情報の両方を、ゲーム内とブロックチェーン上で維持すると回答しました。Suiブロックチェーンチームもゲーム向けのツールセットを開発しており、EVE Frontierチームが全ての機能を自前で開発する必要はなくなる予定です。
ゲーム物理の最大の課題
Q: コリジョン(衝突判定)を除いて、ゲーム物理で最大の課題は何か?
開発チームは、サーバー側でのリアルタイムコリジョン処理が依然として最大の課題であることを認めました。全プレイヤーが同じ体験を得るため、クライアント側だけでなくサーバー側でも計算が必要です。
その他の大きな課題として:
- Line of Sight(視線)計算のN二乗問題: 遮蔽物の背後に隠れる機能をサーバー側で計算
- 1,000人が同一システムにいる場合の計算負荷
- スキャンと信号のオクルージョン(遮蔽)処理
ランドスケープ(Landscapes)の仕様
Q: 深宇宙のランドスケープはどこに配置されるのか?ダウンタイム後に移動するのか?
開発チームは、「ランドスケープ」という名称は仮称で、内部では「オービタル」と呼んでいることを明かしました。これらは惑星軌道周辺の高密度コンテンツエリアを指します。
重要なポイント:
- ランドスケープ自体は静的で移動しない(アイスランドの森のように)
- その中のコンテンツ(生命)は動的に変化する
- 3月までに全宇宙に展開予定
- 将来的には重力や惑星の公転などの物理要素も検討中
スキャニングシステムの拡張
Q: システムスキャンに加えて、近隣システムの情報を得るスキャンも実装されるのか?
適切なテクノロジーとモジュールを装備すれば可能になります。スキャンシステムは:
- シェルまたは艦船に搭載する必要がある
- 信号が何であるかは常に明確ではない(調査が必要)
- 信号は妨害される可能性がある
ステルスベース建設の可能性
Q: ランドスケープ内に秘密の前哨基地を建設できるか?例えば岩の後ろや内部など
これは多くのプレイヤーから要望があった機能で、CCP Bowmanの個人的な目標でもあります。
驚きの発表として、3月には「どこにでもベース建設可能」なシステムの最初のバージョンが実装される予定です。その後、重力などの物理的制約がペナルティとして追加される予定です。
また、複数のプレイヤーが同じ場所に共同で建設できるシステムも検討中です。
ベース防衛システムの緊急改善
Q: 1隻の艦船が基地やゲートネットワーク全体を破壊できる問題の短期的な解決策は?
現在のベース防衛システムは「大きく問題がある」ことを開発チームも認めており、3月に以下の改善が実装予定:
- 強化されたベース防衛機能
- 修理機能の追加 – 完全に破壊されるのではなく、修理可能な状態になる
これらは暫定的な対策であり、長期的にはより堅牢な戦略が用意されています。
確率的アウトカムの範囲
Q: 確率的アウトカムはコンテンツ配置だけでなく、アイテムステータスや製造出力にも適用されるのか?
開発チームは幅広い要素に確率性を導入することを確認:
- シェルのカスタマイズ結果
- 採掘の結果
- 戦闘の結果
- ベース建設の出力
- アイテムの特性
「フロンティアでは人生はある程度ランダムであり、影響を与えることはできても完全にコントロールすることはできない」という哲学です。
WASD操作の進化
Q: WASD操作は改善されるのか?ピッチ軸で360度ループが可能になるのか?
WASD操作システムは最終版ではなく、今後も改善されます:
- ストレイフ(側面移動)やフルループなどの機能が検討中
- 艦船のサイズやクラスによって操作性が変わる予定
- 小型艦は機敏に操縦可能、大型艦は操作が重い
- 艦船ダメージシステムにより、損傷が操作性に影響
開発チームは「ドリフト」機能にも興味を示しています。
シェルシステムの希少性
Q: 新しいシェルを見つけたり製造するのはどれくらい難しいのか?アセンション時に犠牲にする必要性とどう整合性を取るのか?
シェルは産業システムの一部となり、プレイヤー自身が製造します:
- 一部のシェルはプレイヤーが望むだけ一般的になる
- 他のシェルは希少で威光があり、犠牲にするのをためらうレベル
- 機械的、有機的、デジタルなど様々なタイプが存在
- 現在はクラフト要素がないが、今後実装予定
モジュールバランスの今後
Q: 現在のモジュールバランスには多くの問題がある。改善予定は?
開発チームは率直に、現在の艦船エコシステムに誰も満足していないことを認めました。
優先順位:
- まず新しいリソースエコシステムを完成させる(12月に開始)
- 小惑星→精製素材→製造→艦船性能の全体的な流れを構築
- その後バランス調整を実施(3月には間に合わない可能性)
ただし、コミュニティからの具体的なフィードバックを募集しており、小さな変更でもエコシステム全体に影響を与えられる可能性があります。
古代構造物の再建
Q: フロンティアで古代構造物のような重要なものを再建できるか?
開発チームはこの質問に驚きながらも、興味深いアイデアだと評価しました:
- 古代技術の発見と情報の持ち帰り(他プレイヤーに妨害される可能性あり)
- 破損した構造物の修理が可能になる予定
- ベース修理システムと組み合わせて実装を検討中
開発哲学 – Founderへの責任
最後の質問では、非推奨になる予定のシステムのメンテナンスと新機能開発のバランスについて深い議論がありました。
CCP Goodfellowは「この質問はまさに夜も眠れない問題だ」と率直に答え、以下の点を強調:
理論的な最適点の追求
- 現在の改善と基盤構築の間には理論的に最適なバランスが存在
- この最適点は動的に変化する
- 開発チームの仕事は常にこの最適点に近づくこと
ビジョントレーラーの重要性
ビジョントレーラーが早すぎたのではという質問に対して:
- 「明確にノー」 – トレーラーなしでは開発チームに明確な指針がない
- マーケティングツールではなく、開発の道しるべ
- 開発者にとっての志望的な目標
Founderとの関係
CCP BowmanはFounderへの責任について語りました:
- Founderなしでは未来はない – 彼らが世界に福音を広める
- 同時に基盤構築なしではゲームも成立しない
- 困難な作業をリアルタイムで公開する透明性が重要
- Founderは開発者の正直な会話と脆弱性を見る権利がある
オープン開発の価値
CCP Goodfellowは、完成を待つべきだったという意見に反論:
- プレイヤーの相互作用とフィードバックがゲームを豊かにしている
- 閉じたドアの後ろでの開発では得られなかった洞察
- AI開発のように、極めてオープンに、素早く出荷することの価値
- 勇気と厚い皮が必要だが、より良い開発方法
まとめ
このQ&Aセッションから、EVE Frontierの開発チームが:
- 3月の大規模アップデートに向けて過去最速のペースで開発中
- 透明性と創設者とのコミュニケーションを最優先
- 長期的なビジョンと短期的なプレイアビリティのバランスを常に模索
- オープンな開発プロセスを通じてより良いゲームを作ることにコミット
していることが明確になりました。
特に注目すべきは、ベース建設の自由化、ステルスベース、改善されたベース防衛、新しいRiftシステムなど、3月に予定されている具体的な改善です。開発チームの率直さと、創設者コミュニティへの深い感謝の姿勢も印象的でした。
Share this content: