
EVE Onlineといえば、壮大なNull Sec戦争、複雑なアライアンス政治、そして容赦のないPvPを思い浮かべる人が多いだろう。しかし、全てのプレイヤーがそのようなハードコアなプレイスタイルを望んでいるわけではない。
今回紹介するのは、YouTuberの「Aceface」が投稿した動画「EVE Online – 3 Million to 1.8 Billion ISK in 2 Months (Chill EVE Life)」だ。彼は仕事と私生活の変化をきっかけに、EVE Onlineの遊び方を大きく変えた。その結果、わずか2ヶ月で3 Million ISKから1.8 Billion ISKへと資産を増やすことに成功している。
なぜプレイスタイルを変えたのか
Acefaceは動画の中で、プレイスタイルを変えた理由を率直に語っている。
「仕事が忙しくなり、赤ちゃんも生まれる予定です。リアルライフでいろいろなことが起きていて、EVEへのアプローチも少しアクティブではなくなりました。より受動的なプレイになり、取引と採掘を多くやるようになりました。以前とは全く違うことをしています」
彼は以前、Abyssal TraceなどのハードなPvEコンテンツを中心にプレイしていたが、現在は「仕事から帰ってきて、注文を更新する。それ以上のことはあまりしない。自分のペースでできる」というスタイルに移行した。
全てを手放し、3 Million ISKから再スタート
興味深いのは、Acefaceが意図的に「ゼロからのスタート」を選んだ点だ。彼は自身のメインキャラクターの全ての資産を視聴者にプレゼントとして配布し、わずか3M Iskだけを手元に残してHigh Secでの新生活を始めた。
この決断は、新規プレイヤーでも同様の方法で資産を築けることを証明する実験でもあった。
新採掘駆逐艦「Pioneer」の活用
彼の採掘活動の中心となっているのが、新しく実装された採掘駆逐艦「Pioneer(パイオニア)」だ。
Pioneerの特徴
• 価格: 買い注文で約3.7 Million ISK(実装当初は5〜6 M ISKだった)
• 採掘能力: 毎秒12立方メートル
• 装備込み総額: 約10〜12 Million ISK
• 特徴: 採掘レンジにボーナスがあり、遠距離からの採掘が可能
AcefaceはPioneerを「AFKマイニング(放置採掘)には本当に良い船」と評価している。安価なため、Gank(Kamikaze)されても大きなダメージにならない。実際に彼も一度Kamikazeされたが、「10Mの船だから、正直気にしなかった」と語っている。
採掘場所の選定:Bhizeba星系
以前はAmarr(主要トレードハブ)のすぐ隣のベルトで採掘していたが、現在はBhizeba星系を拠点にしている。
Bhizebaを選ぶ理由
• Azbel(プレイヤー所有ストラクチャ)が設置されている
• 鉱石を圧縮できる – 圧縮鉱石は生鉱石より価値が高い
• 同じリージョン内なのでリモート取引が可能
彼は主にScordite(スコダイト)を採掘している。「Null SecやLow Secに比べれば派手ではないが、High Secでのんびり採掘できるのが良い」とのこと。約28,000〜29,000ユニットの鉱石ベルトを見つけ、インベントリがいっぱいになるまで切り替え不要で採掘できるようにしている。
圧縮鉱石の価値
動画内で具体的な数字が示されている。Scorditeの場合:
• 圧縮Scordite: 買い注文で21 ISK/ユニット
• 非圧縮Scordite: 買い注文で17.91 ISK/ユニット
約17%の価格差がある。「非圧縮を買って、圧縮して売るだけでも利益が出る」と彼は指摘している。ただし、圧縮には物理的に鉱石を圧縮施設まで運ぶ手間がかかる。
マーケット取引の戦略
Acefaceの資産増加の主な要因は、採掘よりもマーケット取引にある。彼は6〜8年前にも取引を試みたが、当時は「何が有用かわからず、ただ安く買って高く売ろうとしていた」ため、注文がなかなか成立しなかったという。
現在は「何が実際にゲーム内で使われているか」「価格履歴グラフの読み方」を理解し、より効率的な取引ができるようになった。
取引の基本ルール
1. マージン20%以上を狙う
例:Torpedo Launcher – 買い注文3.4M ISK、売り注文4.5M ISK = 約32%のマージン
2. 取引量の多いアイテムを選ぶ
毎日100個以上取引されているアイテムは、注文が成立しやすい
3. 多様なアイテムを扱う
「ログインしたときにたくさんのアイテムが待っているのを見るのが好き。プレゼントが待っているような気分」
4. Jitaを避け、Amarrで取引
「Jitaほどマーケットが活発でないので、注文の更新頻度が低くても利益が出せる。忙しい現実生活に合っている」
取引しているアイテム例
• Torpedo Launcher(トルピードランチャー)
• Pioneer(採掘駆逐艦)- まだ需要が高い
• Large Shield Extender(大型シールドエクステンダー)
• Large Cap Battery(大型キャパシタバッテリー)
• Federation Navy Stasis Webifier – 1回の取引で数十Mの利益
• Coercer Navy Issue – 「マージンが巨大」(40M投資 → 80M回収の例)
• 各種Filament(フィラメント)
• Dunk Salvage Drone – Pioneer実装後、供給が減り価格上昇
• Bestower、Sigil(Amarr輸送艦)- 1ユニットあたり約1Mの利益
• Oracle、Caracal等の船体 – 1回の取引で約10Mの利益
2ヶ月間の成果
開始時: 3 Million ISK
約1.5ヶ月後: 1.8〜1.9 Billion ISK(注文中のアイテム含む)
Acefaceは「ベテラントレーダーには初心者の数字に見えるかもしれないが、以前は売り注文すら成立させられなかった自分にとっては、とても満足している」と語っている。
日々のルーティン
彼の現在のプレイスタイルは非常にシンプルだ。
1. ログイン
2. Pioneerで採掘開始(放置可能)
3. 採掘中にマーケット注文を更新
4. 採掘ホールドがいっぱいになったらAzbelで圧縮
5. 売却または保管
「仕事から帰ってきて注文を更新する。それ以上のことはあまりしない。自分のペースでできる。本当に気持ちいい」
「退屈」に見えるかもしれないが…
動画の最後で、Acefaceは興味深いコメントを残している。
「多くの人には退屈に見えるかもしれない。でも、私はとても満足している。Abyssに比べれば、これはシンプルライフ、ピースフルライフと言えるかもしれない。正直、Abyssalは好きだけど、今の自分のライフスタイルにはこういうプレイの方が合っている」
EVE Onlineの魅力の一つは、プレイヤーが自分のペースで、自分なりの遊び方を見つけられる点にある。Null Secでの大規模戦争だけがEVEではない。High Secでの採掘と取引という、一見地味なプレイスタイルでも、十分に楽しめることをこの動画は示している。
まとめ:初心者や忙しい社会人へのヒント
この動画から学べるポイントをまとめると:
• 安い船を使え: Pioneerのような安価な船なら、Kamikazeされてもそこまで痛くない
• 圧縮を活用: 生鉱石より圧縮鉱石の方が価値が高い
• Jitaを避ける: 競争が激しいJitaより、Amarrなどの2番手の商都の方が忙しい人には向いている
• マージンを計算: 20%以上のマージンがある取引を狙う
• 取引量を確認: 実際に売れているアイテムを取引する
• 多角化: 複数のアイテムを扱うことでリスク分散
• 自分のペースを守る: ゲームは楽しむもの。無理をする必要はない
EVE Onlineは「第二の仕事」と揶揄されることもあるが、このようなカジュアルなプレイスタイルでも十分に資産を築き、ゲームを楽しむことができる。
大切なのは、リアルの環境の変化に応じて「今の自分にあった」プレイスタイルを選ぶということだろう。
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