2026年2月4日未明、突然の軍事介入

2026年2月4日未明、突然としてEVE Onlineの大規模ブロックImperiumが、DelveとQueriousを拠点とするPhoenix Coalition(以下PCo)の領土に数百隻規模の艦隊を投入し、Queriousのいくつかの主権構造物への攻撃を開始した。

Imperiumはこれまで、PCoと近隣勢力との戦争において「中立」の立場を表明していた。この突然の方針転換は何を意味するのか。両陣営の主張を整理し、事態の背景を探る。


Imperiumが挙げた4つの侵攻理由

PCoの外交筋によると、当初Imperiumの外交担当はこの事態を把握してなかったようだ、と話している。ここは非常に重要なポイントである。

しばらくして、Imperiumの外交官がPCo側に伝えた侵攻理由は以下の通りだ。:

  1. CN TZ(中国タイムゾーン)へのタイマー設定——コンテンツをブロックする目的のTZ設定であり、ゲームに悪影響を与える
  2. CN TZシフトによる紛争回避——近隣との戦闘を避けることで、Imperium CN TZ部隊の「コンテンツ」となった
  3. Period Basis攻撃計画の疑惑——PCoがDracarys領への攻撃を企てていた
  4. FRTとの協力関係——FRTから大規模コープをリクルートし、長期間協力している

核心にある「CSQY問題」

今回の事態を理解する上で最も重要なのが、4番目の理由に関連する「CSQY問題」だ。

ChuangShi(CSQY)は中国系の大規模コーポレーションで、WinterCo.の中核アライアンスであるFraternity(FRT)に所属していた。そしてつい先日、このCSQYがPCoに加わり現在フリートに参加している。

ここで問題となるのは、現時点でCSQYはFRTから「脱退していないという点だ。

https://evemaps.dotlan.net/corp/ChuangShi

外部から見ると、FRT所属のコープがPCoで活動しているという状況は、両勢力間の協力関係を強く示唆するものに映る。EVE Onlineの政治において、FRTのWinterCo.はImperiumと並ぶ超大規模ブロックであり、両者の関係は常に緊張をはらんでいる。その一方の傘下コープが、Imperium勢力圏に隣接する地域で活動するPCoに参加しているとなれば、Imperiumが警戒を強めるのは自然な反応とも言える。


PCo側の主張——「FRTとは無関係」

PCo側は、FRTとの協力を明確に否定している。

「FRTと協力しているという主張は、よくある根拠のないナラティブだ。CSQYが我々に加入した理由の一部は、まさにこの点にある——彼らが我々のコンテンツに参加する他の方法がなかったからだ」

CSQY側も反論している: 「我々はFRTからの離脱について、中国の複数の動画プラットフォームで発表動画や軍団会議の録音を公開している」

しかし、この「脱退宣言」がどの程度公式なものか、またFRT側がどのように認識しているかについては、現時点では確認が難しい状況だ。そもそも[FRT]のティッカーをつけたままPCoの艦隊に参加している時点で、どんな理由も説得力に欠ける。


Imperium側の論理——「行動で判断する」

Imperiumの視点に立てば、言葉よりも行動を重視するという姿勢は理解できる。

  • FRTの中核コープがPCoに「加入」した
  • PCoはCN TZにタイマーを設定し、CN TZ戦力を強化した
  • これにより、EU TZ中心の近隣勢力との直接対決を回避している

この一連の流れを見れば、「PCoがFRTの支援を受けてCN TZ戦力を増強し、地域での優位性を確立しようとしている」という解釈が生まれるのも不自然ではない。

また、ImperiumのDracarysやPLAをはじめとしたCNTZメンバーの多くは、中国サーバー「Serenity」時代からFRT/CSQY側と因縁を持つ者が多いことで知られている。この歴史的背景が、今回の判断に影響を与えている可能性も否定できない。


CN TZタイマー問題——双方の言い分

タイマー設定についても、両者の主張は真っ向から対立している。

PCo側の主張: 「我々がCN TZを選んだのは、そこで優位に戦えるからだ。OF/BMDがEU TZで優位性を持つのと同じ論理だ。実際、CN TZでの戦闘はバランスが取れており、良いコンテンツだった」

Imperium側の論理: CN TZは参加できるプレイヤーが限られるため、事実上の「コンテンツブロッキング」として機能する。特に、CN TZ戦力を持たない近隣勢力にとっては、PCoを攻撃する機会が著しく制限される。

これに対してCSQY側は 「最初にPCoがDelveに来た時、ImperiumはDracaryがCN TZを設定してPCoとの戦闘を避けることを許可していた。しかしCSQYが参加してPCoがCN TZで強くなると、突然『CN TZはゲームに悪い』と言い出した」

これが事実であれば、Imperiumの姿勢に一貫性がないことになる。ただし、状況の変化に応じて方針を調整すること自体は、必ずしも不当とは言えない。問題は、この攻撃がAsherはじめとするImperiumリーダーシップよって許可された作戦なのかかどうかだ。


「小規模勢力のための地域」——変わる約束

PCoリーダーのErzusによれば、PCoがDelve/Querious地域に移住した当初、Imperiumは「この地域は小規模グループが繁栄するための場所」と表明していた。

しかし今回、この点について問い質したところ、「必要に応じてその声明は調整する」との回答だったという。

PCoはこれを「言葉の操作」と批判するが、Imperium側から見れば、「FRTと繋がりを持つ勢力」は当初想定していた「小規模グループ」の範疇に入らない、という論理も成り立つ。


Period Basis攻撃計画——真偽不明の疑惑

Imperiumが主張する「Period Basis攻撃計画」については、PCo側は全面的に否定している。

Erzusは「FC陣全員が困惑している。Redditで偽造スクリーンショットを見た記憶はあるが、Imperiumがそれを信じているとは考えにくい」と述べている。

しかし一つ言えることは、本来Period BasisはImperiumが放棄するリージョンとなっており、Dracarysは周囲にCNTZの脅威がないことをいいことに立退きせずに「占拠」しているに過ぎないという点も留意する必要がある。公式のImperium領ではないのだ。

そもそも、早い段階からDelveに展開していたCSQYの本来の攻撃ターゲットは、Period BasisにいるCNTZのDracarysであった。PCoに阻まれる形で一時停滞したが、DracarysにしてみればCSQYのPCo加入は明らかにPeriod Basisに侵攻するためと見られたことだろう。


今後の展望——不透明な戦況

PCoは現在、状況を注視しながら戦略の再検討を進めている。
PCoのメンバーは「つまり、OnlyFleetsがImperiumにBatphoneしたと言うことでOK?」と、CSQYの加入で再度劣勢になることを恐れたOF/BMDがImperiumを呼び込んだと見ている。

いずれにせよ、Delve/Queriousにブロックレベルの勢力が介入したことで、これまでの「バランスの取れた戦争」は大きく様変わりする可能性が高い。

一方で、複数のアライアンスがImperiumの今回の動きに疑問を呈しているとの報告もあり、外交面での波紋も広がりつつある。


結論——簡単に割り切れない複雑な構図

今回の事態は、単純な「大規模ブロックによる中小勢力いじめ」とも、「正当な安全保障上の対応」とも言い切れない、複雑な構図を呈している。

PCo側の問題点:

  • 「PCoに加入した」というCSQYがFRTから脱退していないという重大な矛盾
  • CN TZタイマーが事実上FRTからの支援を前提としている可能性

Imperium側の問題点:

  • 事前のステートメント(声明・宣言)もない突然の侵攻
  • ImperiumのCNTZ勢が独自に行動を起こした可能性

南部を巡る各勢力の思惑はCN TZ勢を中心に流動的になりつつある。今回の紛争がどのような結末を迎えるかは予断を許さない。両陣営の今後の動きに注目が集まる。

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