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【EVE活シリーズ】忘れられない戦い – Alteisen Liese

【EVE活シリーズ】忘れられない戦い – Alteisen Liese

・自己紹介

メインキャラクター名:Alteisen Liese

宇宙を駆けるMMOという事で2012年頃にキャラクターを作成しニューエデン宇宙に飛び込みました。

しかし、どうしてもゲームの勝手が分からず一旦プレイから離れましたが、2019年頃に復帰、そこからご縁があってNACHOに加盟し、いよいよオメガアカウントにしようという事になり、試行錯誤を重ね今日に至ります。


一次産業で手堅く活動費を得られる採掘業をメインに据えて、PVEや探検、時にPVPといったようにバランスよく楽しめるように活動しています。

さて、本日はそんな自分が経験した、熱い戦いの一幕を聞いて頂きたいと思います。

・思い出の戦い

「今だ!艦載機にジャミングを掛けろ!」

フリートコマンダー(FC)の指示が飛ぶ。味方グリフィン部隊から一斉にジャミングが放たれる。

程無くして、オーバービューに映し出された敵性艦載戦闘機のスピードが0になる。艦載機の火器管制システムにも妨害は及び、一切攻撃が出来ない為意外と静かである。間髪入れずに叩き込まれる味方の反撃で数を少しずつ減らしたそれらが、敵艦載機母艦に引き返していくのが確認出来た。その数は優に数十機、いや体感では数百機を超えており、まるで蠢く星雲の様に見えた。

初めて実物を目にするそれら巨大な兵器の一挙一動は圧巻の一言である。敵側の空母を中心とした打撃群にとって、攻撃を封じられているのは相当な痛手である筈だ。その攻防が幾度となく繰り返される。油断するとどこから艦載機が射出され、味方攻撃部隊に被害が出るか分からない為、気が抜けない。

戦闘全体では味方が優勢である、総員奮起せよ、と我等グリフィン隊にも総司令部からの戦況を報せる連絡と激励が入っていた。

「いいぞ!敵は相当嫌がっている。こちらの攻撃が効いているという事だ。この感覚を忘れないようにな!」

このコーポレーションの中でも対人戦、特に集団で戦う艦隊戦に不慣れなプレイヤーまでもが招集されたこの戦いは、まさに背水の陣。NACHOの戦闘部門であるB-PIXの当時の本拠地すぐ近くの太陽系(ソーラーシステム)に、仇敵コーポが橋頭保となるFortizarをいつの間にか築き上げてしまい、何としてもそれを破壊しなければこちらの本陣を叩かれ悪くすると活動宙域としているソーラーシステムを奪われ宇宙を彷徨う羽目になる、と聞かされていた。

その為だろう、普段は比較的安全なハイセクで生きている我々では目にする事の無い極めて強力な艦船が続々味方キープスターに集結、準備が整い次第出撃し、辺り一帯は決戦間近の様相を呈していた。同盟を組んでいる他のコーポレーションも一蓮托生である。誰にとっても、正念場であった。

「落とされた!予定通り、船を取りに戻り、戦線に復帰する!」

電子戦部隊として戦い続けていると、フリートメンバーから幾度となく撃墜の報告が上がり、緊張の度合いも増していった。自分もまた例外ではなく、二度三度と乗艦を撃墜されては、一旦拠点のステーションに戻り用意されていた新しいグリフィンに乗り換え出撃を繰り返す。

敵だって馬鹿ではない。自分達の作戦を邪魔する輩はどこだ!と血眼になって探し回るのは至極当然であろう。しかし、それでも部隊が崩壊しないのは、流石熟練のFCの手腕といったところか。

我々プレイヤーはNew Eden宇宙にいる間は、カプセラとして幾度も復活可能な不死身の肉体を得る。それを利用して、プレイヤー自身の心が折れない限り何度でも、戦いの場に立つ事が出来るのだ。ただそれは敵とて同じ事であり、如何に限りある戦闘時間の中で敵の本丸である Fortizarを落とすかが鍵となるのである。

そうして戦い続ける事数時間余り…


一時は味方攻撃艦隊が押し戻されてしまい劣勢となる場面もあったが、我等グリフィン隊が必死になって動きを封じていた空母艦隊も疲弊して来たか、徐々に数を減らしていた。

突然、突破口は開かれた。残存する全ての攻撃能力を持った味方艦船が一点に集結し、Fortizarが攻撃を受け付けるギリギリの時間まで、有らん限りの弾薬が叩き込まれたのだ。

「間に合った!!」

FCがそう叫ぶ。遂に敵Fortizarが炎に飲まれるのを目撃した。その爆発は筆舌に尽くしがたく、断末魔をあげていくつもの残骸に分かれて宇宙に消えていく。

それは、今もって忘れる事が出来ない光景であった。


所変わって、ここは自分がホームとしている、とあるシステムのアステロイド。

今日も今日とて行き交う採掘を営む同業者の船を観察し、各種レーダーに目をやりながらのんびりとした鉱石採掘をしていると、彼方に星々が煌めいているのが見える。それを眺める度に思い出すのだ。

確かにあの日あの時、ニューエデンを駆けた艦隊の中グリフィン隊の一人として、他では感じ得ない一体感や満足感を得た時の事を。