「この新システム、マジで最高だわ!」

そんな希望に満ちた言葉で始まったのが、今回の壮大なる悲喜劇である。EVE Online の新拡張「Legion」で追加されたフリーランスジョブ機能。画面に踊る美しいアートワーク、魅力的な新艦船、そして何より新規プレイヤーにとってあまりに魅力的な報酬額のフリーランスジョブ。

第一章:現実という名の冷水

「アーベイゾン星系でケルナイトダストを除去せよ」

任務の説明にはこう書いてある:

ケルナイトダストは船体速度低下の原因となり、アーベイゾン星系の交通を妨げている。我々フリーランサーがこの危険な岩を採掘(除去)し、星系をクリーンに保つのだ。

素晴らしい。詩的ですらある。

だが現実は容赦なかった。

アーベイゾン星系に足を踏み入れた瞬間、恐怖の光景が待っていた。そこは死体だらけの宇宙墓場。ケルナイト鉱石の近くに転がる無数の残骸が、この任務の真の難易度を物語っていた。

方向スキャンには悪夢のような艦隊リストが表示される:Cynabal、Caracal、Drekavac、Falcon、Gnosis、Loki…そして数えきれないほどの戦艦。まるでハゲタカのように獲物を待つハンターたちの大群である。

第二章:忍者採掘という名の自殺行為

「ニンジャマイニングするしかない!」

勇敢なのか無謀なのか、我らが主人公は戦いを挑む決意を固めた。しかし現実は厳しい。コンバットスキャナーの存在を完全に忘れていたのだ。

採掘サイクルを完了する前に戦艦マカリエルが6隻、頭上に現れる。まるで瞬間移動のような速さで。

「どうやって俺の真上に来れたんだ?」

笑いながらも絶望的な状況。ケルナイト500単位。たったそれだけの収穫のために、主人公のベンチャーは爆発四散。

第三章:狂気のループ

「また行くぞ。また。また。また。」

まるで壊れたレコードのように同じ行動を繰り返す主人公。スリムシティのフリーランサーとして、誰にも追跡されない速さを誇ると豪語するが、現実は一つの採掘サイクルすら完了できない惨状。

アーベイゾン星系では採掘サイクル完了前にスキャン特定されるのが常識らしい。この宇宙の法則に逆らうのは無謀というものだ。

「この静寂すぎる宇宙空間…異端の悪臭が漂っている」

詩的な表現で恐怖を表現する主人公だが、状況は一向に改善しない。

第四章:救世主の登場?そして絶望

ついに救世主が現れた。T3駆逐艦スヴィプルを使ったその名も「Rapid Excavation Vessel(高速採掘艦)」。採掘レーザーが頭に搭載された美しき機体。

「これが俺の救済だ!」

センサーブースターを即座に起動し、シャープシューターモードで戦いに挑む。しかし結果は…

「俺の死体が全てのベルトに一つずつある。何が起きてるんだ?」

もはやアーベイゾン星系は彼の個人的な墓場と化していた。

第五章:絶望的な現実

「ちなみに、ケルナイトはJitaで1単位900ISKで買えるんだ」

戦いの最中に飛び込んできた残酷な真実。高い報酬を求めて命がけで採掘していたケルナイトが、安全な星系で簡単に購入できるという衝撃の事実。

それでも戦いは続く。アーベイゾン星系という戦場で、ベンチャー採掘艦の残骸を横目に見ながら。

終章:それでも続くフリーランス人生

最終的な収益:マイナス2億ISK

「フリーランスジョブって簡単でしょ?全然問題ないよ」

皮肉に満ちた言葉で現実を受け入れる主人公。正気を徐々に削り取られながらも、最後には部分的な報酬として約120万ISKを獲得。

「このシステム、マジで最高だわ。楽しかった」

絶望的な状況を経験しながらも、なぜか満足げな表情を浮かべる。これがEVE Onlineというゲームの真の魅力?なのかもしれない。

次回予告:アーベイゾン星系攻略法、または「いかにして死体の山を築くか」

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