
ImperiumのプロパガンダチャンネルであるImperium Newsの「The Meta Show」より、今回宣戦布告したImperiumの戦争について語られていたのでこちらを記事にしてみました。
帝国の財政再建 – 破綻からの復活劇
連合組織の財政危機
Asher EliasがGoonwarmのリーダーに就任した当初、状況は絶望的でした。彼の証言によると、組織の財政状況は想像以上に深刻で、具体的な収入源すら把握できていませんでした。
「我々がどれだけの収入があるのか全く分からなかったが、破産状態だったことは確実だった」
調査の結果、Goonwarmの収入は1日あたり4-6B ISKの税収のみでした(訳者注:本当か?)。これは個人プレイヤーが1日で稼げる金額程度であり、大規模組織の運営には到底足りない額でした。
戦略的投資と再建
この財政危機を受けて、リーダーシップは根本的な方針転換を行いました。従来の「組織が豊かで、メンバーが貧しい」という構造から、「メンバーが豊かになることで組織も豊かになる」という投資戦略に転換したのです(訳者注:これはGoonsとしては以前からそうな気が)。
具体的な取り組みとして、組織は「Goonwarmの銀行」として機能し始めました。メンバーの経済活動を支援し、その結果として税収を増加させる好循環を目指したのです。
戦争宣言 – 5年間の沈黙を破る決断
敵対組織の優位性
戦争の相手となる「Pandemic Horde」は、圧倒的な経済力を持つ組織でした。Asherの表現によれば、「ソロモン王も赤面するほどの富」を蓄積していました。彼らは以下の優位性を持っていました:
- 安全で広大な領土
- 効率的な資源採取システム
- 巨大なレンター帝国(訳者注:Imperiumはなぜかレンターシステムをたたく。個人的には自由主義か社会主義という体制の違いでしかない。)
- ゲーム内で最も強力な経済基盤
心理戦と情報漏洩
興味深いことに、敵対組織はImperiumの財政状況を正確に把握していました。幹部クラスの内通者が組織内の会話ログを公開し、Redditに投稿していたのです。敵は帝国の1日5Bという微々たる収入を嘲笑していました。
戦略的判断:今か、永遠にないか
Asherは重要な決断を迫られました。財務チームからは「あと1年待てば、敵との戦力差を縮められる」というアドバイスを受けていました。しかし、彼は即座の行動を選択します。
「敵は5年間、あらゆる優位性を持ちながら、一度もそれを活用していない。我々は無力さが連合全体に広がるのを見てきた。無敵性が無駄にされるのを見てきた」
空のAvalanche作戦
巧妙な陽動作戦
戦争開始と同時に、Imperiumは見事な戦術的欺瞞を実行しました。敵がKeepstarのアンカーシップを予測できることを前提として、以下の二段階作戦を展開:
- 第一段階(陽動): 明らかに偽装したキャラクターで囮のAvalanche(輸送艦)を送り込む
- 第二段階(本命): 敵が陽動に引っかかっている間に、本物の輸送艦でKeepstarを設置
Pandemic Hordeは予想通り陽動に引っかかり、大量のDNとBomberを投入して空のAvalancheを攻撃しました。その間に、真のKeepstarは無事に設置され、アンカーを開始しました。
この作戦により、敵は大きな恥をかき、Imperiumは戦略的優位性を獲得しました(訳者注:Imperiumはこのネタを相当プロパガンダで使っている)。
Legion拡張パックの影響分析
フリーランスジョブシステム
新たに導入されるフリーランスジョブシステムについて、パネリストたちは懐疑的な見方を示しています。既存の大規模組織では第三者ツールで同様の機能を実現しており、新システムの実用性に疑問符が付いています。
戦闘バランスの変更
最も注目すべきは「Surgical Strike」の撤回です。これは過去の重要な変更の完全な逆転を意味します:
Surgical Strikeの影響(撤回前)
- 全艦船の耐久性大幅減少
- 高速戦闘、短時間決着の促進
- 大型艦の生存性低下
撤回後の変化
- 全艦船の耐久性向上
- より長期的な戦闘の復活
- キャピタル大規模艦隊戦が復活の可能性
新艦船の戦略的意義
Legion拡張で追加される新艦船は、戦術的多様性を提供します:
- Triglavian Marauder: 極めて高い攻撃力を持つ戦艦クラス
- Angel Dreadnought: 移動しながら戦闘可能な革新的DN
戦略分析と今後の展望
地政学的重要性
今回の戦争の舞台となる「Insmother」地域は戦略的に重要な位置にあります:
- Pandemic Hordeの本拠地(Drone Regions)への入り口
- 敵の主要な経済活動地域
- Imperiumにとって敵中枢への足がかり
戦争の性質と制限
注目すべきは、この戦争が明確な制限目標を持つことです。Asherは「Insmotherからの敵の駆逐」を明言しており、これは過去の「殲滅戦争」とは異なるアプローチです。
敵同盟の動向
戦争の展開は、他のPanfam勢力の動向に大きく左右されます:
- Fraternity: 現在The Initiativeと交戦中
- Pandemic Legion: Hordeの援軍として参戦の可能性
- Northern Coalition: 同様に援軍の可能性
EVE Onlineの新時代の幕開け
この戦争宣言は、EVE Onlineにおける新たな時代の始まりを告げています。5年間の大規模戦争の空白期間を経て、ついにメガ連合同士の本格的な衝突が再開されました。
帝国の財政再建成功、戦術的欺瞞の巧妙さ、そして明確な戦争目標の設定は、現代的な宇宙戦争の新しいモデルを提示しています。同時に、Legion拡張パックの戦闘システム変更は、このタイミングでの戦争をより興味深いものにするでしょう。
最終的に、この戦争の真の勝者は、勇気を持って戦いを選んだプレイヤーたち自身かもしれません。EVE Onlineというゲームの真髄は、安全な場所に留まることではなく、リスクを冒して歴史を作ることにあるからです。
この記事の内容について、これはあくまでImperium側の主張であり、誇張や一方的な解釈が往々に含まれていることに注意が必要です。
個人的には、最もリスクを取らないプレイヤーの集まりの一つであるImperium連合がリスク云々言っているのは噴飯ものだと思います。まあ、Legion拡張でTitanを使った戦いがしやすくなったので、Keepstarに飾るだけで使う機会がなかったメンバーのためのコンテンツというのが正直な理由でしょう。
膨れ上がるメンバーの欲求を満たしつづけないというプレッシャーがあるとは思いますが、それはすなわちイナゴのようにゲーム内リソースを食い尽くすまで拡張し続ける宿命なのかもしれません。
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