ロシア人の動画の翻訳です。なので主にロシア語圏のプレイヤーの話が中心です。

EVE Onlineのロシア語圏コミュニティにおいて、約1か月前に発生した重大な論争が注目を集めています。大手アライアンス「Siberian Squad」のリーダーであるHanzo Viper氏が、ストリーマーやYouTuberのアライアンス・コーポレーションの成長を阻止すると公言したことから始まった一連の騒動について詳しく解説します。

事件の発端:Siberian Squadリーダーの衝撃的発言

アライアンスの背景

Siberian SquadはWinter Coalitionに所属する大規模なロシア語圏アライアンスで、EVE Onlineの北部宙域であるDeklein地域を拠点としています。Winter Coalitionは中国系の大規模連合として知られており、Siberian Squadはその重要な構成組織の一つです。

論争の火種となった発言

Hanzo Viper氏はTelegramのEVE関連ニュースチャンネルで以下のような声明を発表しました:

「我々のアライアンスは、YouTuberアライアンスや他のストリーマーアライアンスが成長・発展することに一切関心がない。過去に我々はアライアンス・スタカノフ(Stakan)がFeythabolis地域から退去することを直接的または間接的に支援した。もしYouTuberアライアンスがただのPvPリーグから、より深刻な組織への転換を決定するなら、我々はそれを阻止する手段を講じる。我々のチェスにストリーマーは不要である。これは原則的な立場だ。」

コミュニティの反応と波紋

ストリーマー陣営の対応

この発言を受けて、EVEのストリーマーコミュニティは激しく反発しました。多くのストリーマーがこのメッセージを拡散し、批判的なコメントを寄せました。特に注目されたのは、Siberian Squadが実際にStakan Allianceの退去に関与していたという新たな情報でした。

疑問視される動機

コミュニティからは以下のような疑問の声が上がりました:

二重基準への指摘: Hanzo Viper氏自身もYouTubeチャンネルを運営しており、メディア活動に参加していることから、ストリーマーを排除する一方で自身はメディア露出を続ける矛盾が指摘されました。

真の目的への疑念: この発言の背後に、自身の影響力拡大や競合勢力の排除といった政治的意図があるのではないかという憶測が広がりました。

立場の軟化と路線変更

修正された声明

数日後、Hanzo Viper氏は明らかにトーンダウンした追加声明を発表しました:

「我々のアライアンスは、ストリーマーが共通のハイプを利用して利益を得ようとし、それに寄生しようとする行為に否定的です。我々は典型的な状況を目撃しています。ストリーマーXがプロジェクト『Faceless』を立ち上げ、邪悪なパワーブロックに対抗する自由・平等・友愛の名の下にすべての自由なパイロットの結集を宣言します。しかし結果的に、そのプロジェクトは短期間で崩壊し、ストリーマー自身の利益のためのスペース確保に終始してしまいます。」

統合への呼びかけ

6月22日、Hanzo Viper氏は主要なロシア語圏組織のリーダーたちに対して統合を呼びかけました。これは当初の攻撃的な姿勢から大きく転換した動きでした。

分析:EVE Onlineにおける権力構造と政治

ロシア語圏アライアンスの現状

現在のEVE Onlineにおいて、ロシア語圏のアライアンスは銀河全体に散らばっています:

  • Siberian Squad: 北部Deklein地域(Winter Coalition所属)
  • Hold my Props: Horde地域に移転し、Panfamと連携
  • Fanatic Legion: Imperium勢力と協力関係
  • その他の組織: Blood地域での領土争いに参加

ストリーマー連合の台頭

一方で、ストリーマーを中心とした連合は独立性を保ちながら成長を続けています。彼らはLow SecurityのAridia地域からスタートし、現在はDelve地域の一部を確保するまでに至っています。

結末と現在の状況

計画の変更

当初、Siberian SquadはBlood地域への展開を計画していましたが、最終的にProvidence地域周辺への展開に変更されました。この変更は、地域の既存勢力からの抵抗や政治的計算の結果と見られています。

継続する緊張

この事件は単なる発言の問題を超えて、EVE Onlineの政治構造における深刻な問題を浮き彫りにしました。大規模アライアンスによる中小組織への圧力、メディア影響力をめぐる競争、そして真の独立性の獲得といった課題が明確になりました。

今後の展望

この論争は、EVE Onlineコミュニティにおけるコンテンツクリエイターの役割と大規模組織の権力構造について重要な問題提起を行いました。ストリーマーやコンテンツクリエイターが単なるエンターテイメント提供者を超えて、実際のゲーム内政治に影響を与える存在となっていることが明らかになりました。

今後、この種の対立がどのように解決されるか、そして新しいプレイヤーやコンテンツクリエイターがどのような環境でEVE Onlineを楽しめるかが、ゲームコミュニティ全体の健全性を左右する重要な要素となるでしょう。

まとめ

Siberian SquadのHanzo Viper氏による「ストリーマー排除宣言」は、EVE Onlineのロシア語圏コミュニティに大きな波紋を投げかけました。この事件は、大規模組織の権力行使、コンテンツクリエイターの影響力、そしてゲーム内政治の複雑さを浮き彫りにする重要な事例となりました。

最終的に当事者は立場を軟化させ、統合を呼びかけるに至りましたが、この論争が提起した根本的な問題は今後もEVE Onlineコミュニティにとって重要な課題として残り続けるでしょう。

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