2026年4月末、Vexor Warはクライマックスを迎えた。WinterCoの本拠地ステージングKeepstarが陥落し、The Initiativeは停戦を宣言。百度貼吧の「歴史の終結」スレで語られた中国コミュニティの不安は、一つの形となって現れた。

本記事では前回のAtioth戦記事の続きとして、4-HWWF Keepstar攻防戦から5月初旬の現状までを、中国コミュニティの声を交えながら追う。

https://tieba.baidu.com/p/10604804083?fr=frs


Geminate「遊水地」の決断:WinterCoの戦略的後退

Atio第1戦でImperiumのKeepstarを阻止し、33隻のタイタンを沈めた勝利——しかし、その戦果をもってしてもWinterCoはGeminateを守り切れなかった。

Atioth敗北の直後、Imperiumは周辺システムの主権を確保し、新たなKeepstarのアンカリングを開始した。WinterCoにはこれを阻止するか、後退するかの選択肢があったが、Noraus(FRT/WinterCoリーダー)はAtioth勝利で得た「政治的資本」を消費する形でGeminateからの撤退を決断。部隊はVale of the Silentの7-K5ELに後退した。

Imperiumは実際には1基しかKeepstarを落としていなかったが、「2基目のKeepstarもある」とPingで嘘情報を流し続け、WinterCo側が2基目を発見できない焦りが撤退判断に影響した可能性がある。Asherの事後報告で、これが意図的なブラフだったことが明かされた。

結果として、Imperiumは妨害なしで2基のKeepstarをオンライン化。Geminate星域への足場を完全に確立した。

TESTの怒りと「遊水地」問題

この撤退はWinterCo内部に亀裂を生んだ。特に問題となったのがTEST Alliance Please Ignoreの扱いだ。

TESTはGeminateに拠点を構えていた(Imperiumの首都からわずか6ゲートという、信じがたい立地に)。WinterCoがGeminateを「遊水地(flood plain)=捨てても構わない緩衝地帯」として放棄したことで、TESTの保有建造物は防衛されないまま次々とリインフォースされた。

TESTのメンバーからは「WinterCoに見捨てられた」という声が上がり、連合内通信では「なぜPure BlindのSkyhookは守るのに、Geminateの俺たちのKeepstarは守らないのか」という不満が噴出した。TESTリーダーのSapporo Jonesは「我々は同盟に見捨てられたわけではない」と鎮静化を図ったが、溝は深まっていた。


4-HWWF攻防戦:WinterCo本拠地の陥落

Initiativeの奇襲がすべてを変えた

4月下旬、WinterCoがGeminateでImperiumのKeepstarにVexorの波を浴びせている最中、The Initiativeが隙を突いた。WinterCoの本拠地——Vale of the Silentの4-HWWFに置かれたメインステージングKeepstarのアーマータイマーを設定したのだ。

4-HWWFはWinterCoが「住んでいる」場所そのものだ。主要資産が集中し、防衛のためにはアンドックするだけでいい。しかもタイマーは北京時間の土曜夜——WinterCoにとって最も有利な時間帯——に設定されていた。さらにKeepstarには4セットのアーマープレートが装着されていると宣言され、Reddit上では「これは落とせない」という声も上がった。

アーマータイマー:7,853人の大戦

Imperiumは全力で突入。この戦闘には7,853人のパイロットが参戦し、FWST-8の6,557人を超える記録を打ち立てた。

Imperiumは今度は自らがVexor戦術を採用。数千隻の安価なVexorをJitaから買い占め、物量でKeepstarのアーマーを削り取った。結果として12,000隻以上の船を消耗しながらも、アーマータイマーを突破。

後に判明したが、「4セットのアーマープレート」は嘘だった。実際にはアーマープレートは装着されていなかった。

ファイナルタイマー:そして本拠地は落ちた

WinterCoは諦めなかった。4-HWWFは自分たちのホームシステムであり、周辺にも建造物がある。同システムに新しいKeepstarを急遽アンカリングまでした。

しかしImperiumは前回のAtioth戦から学んでいた。システムに残ったパイロットはログオフして待機し、タイマー時にのみ再ログイン。2回のタイマー合計で20,000隻以上を消耗する壮絶な消耗戦の末、4-HWWFのステージングKeepstarは破壊された

さらに同時期に、AunenenPure BlindのB-9C24にあった2基のKeepstarも陥落。B-9C24のKeepstarには5セットのアーマープレートが装着されていたが、それでも防ぎきれなかった。


Initiative停戦宣言:Dark Shinesの声明

4-HWWF陥落直後、The InitiativeリーダーのDark ShinesがRedditで停戦を宣言した。声明の要点:

  • 昨年、WinterCoからNIP(不侵略協定)の打診があったが断った
  • INITは元々WinterCoを攻撃する意図はなく、異なるTZでの戦争は合理的でないと伝えていた
  • しかし10月にWinterCoがFadeとPure Blindの主権を取り始めたことで開戦に至った
  • B-9C24 Keepstarの破壊と、WinterCoのTribute国境への撤退をもって、クリスマス攻撃への復讐は達成されたと判断
  • 今後はWinterCoへの攻撃的リインフォース作戦を停止し、防衛と通常のローミング・ハンティングに戻る
  • ただしWinterCoから攻撃が続くなら方針を見直す

「戦争を止めるには双方の協力が必要だ」という指摘もある通り、これはINIT側の一方的な停戦宣言であり、WinterCoがこれを受け入れるかは別問題だ。ただし、WinterCoは2月末からすでに対INIT防衛態勢に移行しており、Imperiumが前線に大兵力を張り付けている状況でINITに反攻する可能性は低いと見られている。


Imperiumの戦後態勢:「目標達成、だが帰らない」

Asher Eliasは「やるべきことはまだ少し残っているが、主要な戦闘は終わった」と総括した。宣戦時の目標を振り返ると:

「我々の目標は単純だ。Geminate星域にある彼らのステージングKeepstarを破壊する」

4-HWWFの破壊をもってこの目標は「達成以上の成果」とされている。しかし、Imperiumは帰還していない。

現在のImperiumの保有状況:

  • BWF-ZZを確保(ハイセク接続あり)
  • O-VWPB付近に2基目のKeepstarをオンライン化(1基目は失われたが再設置に成功)
  • Atiothを緩衝地帯・WinterCo領への侵入路として保持する意図
  • Geminate星域の自陣側入口を完全に押さえる態勢

ブロガーWilhelm Arcturus(The Ancient Gaming Noob)は「Geminateの向こう側の領土をWinterCoにそのまま返すとは思えない」と観察している。


「Geminateの西部戦線異状なし」——5月の現状

5月初旬の記事タイトル「All Quiet on the Geminate Front(Geminateの西部戦線異状なし)」が物語るように、大規模戦闘は一段落した。しかし戦争は終わっていない。

WinterCoはPandemic Hordeよりもはるかに好戦的だ。 Imperiumのブロガーたちが一様に認めているのは、WinterCoが「PHのようにブルーボール(戦闘回避)しない」ということだ。大目標がなくなった後も、両陣営はぶつかり合いを続けている。TributeのIncursion星系付近でも戦闘が発生し、通常の艦隊戦が日常的に繰り広げられている。

一方、Jitaの市場は戦争の影響を如実に受けている。Vexor、ボマー、インターセプター——さらには「誰かが通常Vexorの価格で誤って出品した400隻のVexor Navy Issue」まで含めて、あらゆる安価ドクトリン船がJitaから買い占められた。戦争がNew Eden全体の経済を動かしているのは明白だ。


百度スレ「歴史の終結」の予言を検証する

4月1日に立てられた百度スレの分析は、1ヶ月後の現実とどう対応しているか。

「PHの突然死で勢力均衡が崩れた」

→ 完全に的中。 WinterCoはPHなしでImperiumとInitiativeの二正面作戦を戦い、Geminate放棄・本拠地Keepstar喪失という結果を招いた。援軍として登場したのは「200隻のHorde Muninns(善意の艦隊)」程度で、かつてのPanFamの面影はない。

「WinterCoが死ねば、WWB2の復讐は完成する」

→ 半分実現。 TEST・PH・WCの三者のうち、TESTとPHはすでに独立勢力としては事実上消滅。WinterCoはステージングKeepstarを失い、Geminateの大部分を放棄したが、まだ死んではいない。Vale of the Silentに後退し、Tribute国境で態勢を立て直している。

「FRTは指導層が諦めなければ生き残れる」

→ 現時点では正しい。 WinterCoの最大の強みは、PHと違って「戦わずに崩壊しない」ことだ。Imperium側のブロガーですら「WinterCoはHordeよりずっと好戦的」と認めている。百度の投稿者が言った「指導層と成員が諦めなければ、少なくとも一方を潰せる」は、まだ有効な読みだ。

「New Edenにはもう対抗勢力が育つ余地がない」

→ 未確定だが、傾向としては正しい。 ドローンリージョンはImperiumの提案で小規模アライアンスの自由領域とされたが、WinterCoにとっては「Goonswarmが隣に来るよりマシ」という消極的な合意に過ぎなかった。現在、約20,000人のカプセラが独自の国家建設を試みているが、三大ブロックに対抗できる規模には程遠い。


この戦争が示したこと

Vexor Warは、いくつかの重要な教訓を残した。

1. サーバー限界と戦術の進化 10,253人のAtioth、7,853人の4-HWWF——EVEのサーバーは何度もその限界を見せた。その結果、両陣営が行き着いた戦術は「最も安い船を最大量投入する」というもの。Vexorという初心者向けドローン巡洋艦が戦争の主役になったことは、TiDi環境下での合理的な帰結だった。

2. 情報戦の威力 「2基目のKeepstar」の嘘Ping、「4セットのアーマープレート」の虚偽宣言——この戦争では情報戦が実際の戦況を動かした。GeminateからのWinterCo撤退も、存在しない2基目のKeepstarへの対応に影響された可能性がある。

3. タイムゾーンは優位だが、絶対ではない 百度スレでも、開戦時のAsherの演説でも、中国TZの問題は中心的に語られた。WinterCoのタイマーは北京時間に設定され、Imperiumにとっては深夜~早朝の戦闘を意味する。しかし結果として、Imperiumはその不利を物量と組織力で克服してみせた。

4. WinterCoはPHではない Pandemic Hordeが内部崩壊で消えたのに対し、WinterCoは正面から殴り合い、敗北しても戦い続けている。百度スレの「蜜蜂のタイタンを1隻爆破してから乗り換えてやる」という冗談混じりの投稿は、このコミュニティの粘り強さを象徴している。


おわりに:歴史は終結したのか

百度スレのタイトルに戻ろう。「歴史の終結」——それは本当に訪れたのか?

Geminate星域は事実上Imperiumの勢力圏に入った。WinterCoの本拠地Keepstarは灰になった。INITは停戦し、Imperiumは目標達成を宣言した。EVEのパワーバランスはかつてないほどImperium優位に傾いている。

しかし、WinterCoはまだ存在している。Norausはまだ指揮を執っている。そして前線では、大目標なき後も艦隊が衝突し続けている。

Asher自身が、EVEの歴史が「永遠の覇権はない」と繰り返し証明してきたことを考えれば——歴史の終結を宣言するのは、まだ早い。

まだ、EVEOnlineは死んでいない。

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