Fanfest 2026の2日目に行われたCradle of Warディープダイブ。前日のメインキーノートでは概要にとどまっていた6月9日リリースの拡張パックの中身が、ゲームデザインディレクターFC Okami、そしてFC Mercury、K1P1の3名によって具体的に掘り下げられた。新規カプセラの視点でExordiumからキャンペーン参加、新艦船入手までの「旅路」を追体験する構成で、実際のUIやゲーム画面を交えた内容の濃いセッションだった。


Exordium(エクソーディアム)── 新スターター空間の全貌

基本設計

ExordiumはAIRとCONCORDが共同管轄する新リージョンで、新規カプセラの訓練を目的としている。以下の制限が適用される:

  • ウォーデック(戦争宣言)が適用されない
  • ファクションウォーフェアの対象外
  • DScan(方向スキャン)が存在しない
  • ストラクチャーの設置が不可
  • 経済的な制限があり、安全な稼ぎ場所にはならない設計

つまり「安全だが、ファーミングの楽園にはならない」という絶妙なバランスだ。プレイヤーはいつでも自由に出入りでき、自分のペースで学べる。

リージョン構成

  • 中心部「マニフェスト」 ── CONCORDが管轄する中央トレード&ロジスティクスハブ。Uliに直結するスターゲートを持つ
  • AIRラボ・トレードセンター ── マニフェスト内の集合拠点。マーケット閲覧、装備の購入、冒険の準備ができる
  • 4大帝国の大使館コンステレーション ── アマー、カルダリ、ガレンテ、ミンマターそれぞれが独自の大使館エリアを持ち、各帝国の文化・技術・思想に触れられる

コンテンツ

Exordium内で体験できる活動は多岐にわたる:

  • マイニング
  • コンバットサイト
  • ホームフロントオペレーション(協力プレイ)
  • 探索コンテンツ
  • ミッション
  • フリーランスジョブ(各キャリアパスを試せる)

さらに新エピックアークが用意されており、New Edenの4帝国の歴史と主要な戦闘・事件を追体験できる。

卒業とFWへの直行ルート

スターター空間を卒業すると通常のスペースに移行。各帝国の大使館コンステレーションには一回限りのシップキャスターが設置されており、各帝国のファクションウォーフェア本部に直接ジャンプ可能。卒業直後に前線参加したい新規プレイヤーへの導線が明確に用意されている。


アチーブメントシステム ── 詳細仕様

メインキーノートで予告されていたアチーブメントの具体的な仕組みが公開された。

アチーブメントの構造

各アチーブメントには以下の要素がある:

  • 名前と説明 ── 達成条件の明示
  • フレーバーテキスト ── 雰囲気づくり
  • マイルストーン ── 段階的な達成目標(一回で完了しないものもある)
  • 報酬 ── スキルポイント、アチーブメントスコア、タイトル

アチーブメントの例

  • High Noon ── デュエルへの参加
  • Marginal Victory ── リージョナルマーケットでISKを稼ぐ
  • Ship Happens ── 他のカプセラに撃沈された回数を追跡(マイルストーン付き)。報酬タイトルは「Meat Popsicle」

タイトルの種類例

  • Sightseer ── 観光・探索系
  • Rockhound ── マイニング系
  • Pod Breaker ── PvP系

タイトルの表示箇所

  • チャットウィンドウ
  • ステーションリスト(マウスオーバー)
  • キャラクターシートの「デコレーション」エリアで選択・装備

HUDへの情報表示をコントロールできる柔軟性も設計に組み込まれている。タイトルの入手難易度はさまざまで、簡単に取れるもの、グラインドが必要なもの、そしてミリタリーキャンペーン限定の期間限定タイトルも存在する。


ミリタリーキャンペーン ── 4帝国の具体的な目標と報酬

キーノートで概念が語られたキャンペーンの中身がここで初めて具体的に公開された。各帝国のキャンペーンにはそれぞれ固有のストーリーと報酬がある。

アマー帝国:「The Blessed Exchange」

混乱を機会に変える。成功すると:

  • DEOO(Deaconry of Economic Oversight Office) の設立
  • 税金とブローカー手数料の大幅削減

カルダリ連合

スターゲートの直結ルート強化を目指す。成功すると:

  • ブラックライズからシンジケートへの直通スターゲート建設
  • カルダリの勢力圏拡大

ミンマター共和国:「The Starkmanir Restoration」

部族の結集と失われた故郷の奪還。成功すると:

  • ArzadとAzaraの奪還(数世紀前にアマーに奪われた星系)
  • Arzad IIを「Starkmanir Prime」に改名 ── 本来の名称への復帰
  • 古代の知識の解放 ── ミンマター・ハイセクにフェイズドフィールドが出現し、他の部族と共有される

ガレンテ連邦:「Operation Rogue Edge」

軍事ロジスティクスの強化。成功すると:

  • DixieからInakiへのジャンプ数を10から6に短縮
  • ローセク版エクスカベイタードローンの新技術開発

キャンペーンの進行システム

ディープダイブで実際のUIが表示され、以下の仕組みが確認された:

  • キャンペーンには計44の目標(ガレンテの例)があり、すべて完了する必要がある
  • 参加カプセラ数残り日数がオーバービューに表示
  • 各目標に個人トラック(自分の貢献度)とグローバルトラック(全体の達成度)がある
  • 目標は段階的にアンロックされ、「今後の予定」タブで公開スケジュールを確認できる
  • 各目標の報酬:ISK、LP、スタンディング上昇
  • スタンディング回復の例:ガレンテとの関係が-2でも、フルコミットすれば+2~+3まで回復可能

キャンペーン期間

6月から9月まで。成功した場合、その結果は冬の拡張パックでNew Edenに恒久的な変化として反映される。

目標の種類

FW関連の目標(プレックス攻略・防衛など)にはそのファクションへの入隊が必要だが、マイニングやハッキングなどのハイセク活動はFW非参加者でも参加できる。ただしハイセクの活動はキャンペーンにのみ影響し、FWのシステム支配率には影響しない


「Bulwark」── 新パラダイム

ディープダイブで新たに判明した概念として「Bulwark(防壁)」システムがある。ウォーゾーンに隣接するハイセキュリティ星系で、直接的な戦闘は行われないが、キャンペーン目標に寄与するマイニング・ハッキングサイトが出現する。ハイセクプレイヤーがキャンペーンに参加するための窓口だ。

Shadow Warsで登場したブースターの復活も示唆された。


FWバランス調整の全容

ここ数ヶ月で実施されたFW改善の総まとめも行われた:

2月:

  • FWランク昇格時の派生スタンディング(Derived Standings)を削除
  • コラプション5星系でのバブルによるスタンディング低下を削除
  • ファイナルキャリアエピックアークミッションからの派生スタンディングを削除
  • レベル1 FWミッションからの派生スタンディングを削除(新規向け)

3月:

  • レベル4 FWミッションからの派生スタンディングを削除(ベテラン向け)
  • 場所に基づくモジュレーテッド・スタンディング機構を導入 ── メタ付近での戦闘よりプレックス内でのAWOXの方がスタンディング打撃が大きい

4月:

  • レベル2・3 FWミッションからの派生スタンディングを削除
  • -4.5以下のスタンディングを持つFWコープのカプセラに対するアムネスティ(恩赦) ── -4.5にリセット

次期拡張(6月):

  • シーガリング対策 ── バトルフィールド報酬をフラットLP支払いからルータブルアイテムに重点移行。NPC撃破者がスキン、スキンコンポーネント、新モジュールの大部分を入手できるようになる

FW新モジュール

  • カルダリ&ミンマター向け:ミサイルガイダンス・コンピューター
  • アマー&ガレンテ向け:ドローンハイブリッドモジュール

まずバトルフィールドで試験導入し、状況を見てアイスハイストなどの海賊サイトにも拡張予定。


新プレックス(FWコンプレックス)4種

FW空間に4つの新しいタイプのプレックスが追加される。

1. バトルフィールド・バトルクルーザー級プレックス

  • 制限:バトルクルーザー以下
  • 推奨人数:3人
  • 特徴:高VP(ビクトリーポイント)、リスポーン間隔は長め
  • サイト内効果:バトルクルーザーのスキルレベルに+1のバフ。スキルLv5で入ればLv6相当で飛べる

2. カオスコンプレックス(エリートテック制限)

  • 制限:T3デストロイヤー以下
  • 設置場所:フロントラインのみ
  • 推奨人数:10人
  • 特徴:サイトに入るたびに3つのランダムエフェクトが適用。3カラムのエフェクト表から選ばれ、約396通りの組み合わせが存在。最適フィットが毎回変わる

3. インターセプター専用ソロプレックス

  • 制限:インターセプターのみ(1人)
  • キャプチャータイマー:10分
  • 設置場所:コマンドオペレーション星系のみ

4. T1フリゲート(アタック&コンバット)ソロプレックス

  • 制限:T1アタックフリゲート&コンバットフリゲート(1人)
  • キャプチャータイマー:5分
  • 設置場所:フロントラインのみ
  • リスポーン:高速
  • 注意点:NPC出現頻度が通常の2倍、ワープディスラプター持ちが高確率で出現

これらの新プレックスはCradle of War期間中、同サイズの既存プレックスの一部と入れ替わる形で出現。VPと報酬は既存より高い。開発側はこれを「新しいコンテンツタイプの実験」と位置づけており、インターセプター限定に限らず、将来的には他の船種限定サイトなどへの展開も想定している。


Theaters of War ダッシュボード

FW、海賊インサージェンシー、ミリタリーキャンペーンの情報が増えることに対応し、すべてを一元管理するTheaters of Warダッシュボードが導入される。確認できる情報:

  • 最新のシステムフリップ状況
  • 海賊インサージェンシーの状態とFOBの出現位置
  • FWでの個人進捗
  • ミリタリーキャンペーンのアチーブメント
  • 各ダッシュボード(FW、海賊インサージェンシー、入隊画面、キャンペーン画面)へのナビゲーション

新艦船 ── ファクションネイビー・デストロイヤー&T2コマンドキャリアー

ネイビー・デストロイヤー(4隻)

実際のゲームモデルが初公開された。

ドラゴン・ネイビーイシュー(アマー) 帝国の権威を体現する容赦なき軍艦。ニュート、ディセーブル、圧倒の三拍子

コーモラント・ネイビーイシュー(カルダリ) 堅牢なシールド、フィッティングの柔軟性、攻撃力の大幅強化。カルダリの卓越性の結晶

アルゴス・ネイビーイシュー(ガレンテ) 優れた兵装システム、ウェブドローンリンケージ、強化された装甲を統合

スラッシャー・ネイビーイシュー(ミンマター) ※原文では「Tow Navy Issue」 堅実な耐久力と柔軟性・効率性を兼備。グレートワイルドランズのキャラバンを無敵たらしめた設計思想

T2コマンドキャリアー(4隻)

単なる大型艦ではなく「影響力を行使する艦」として設計。共通の特徴:

  • 強化されたファイター
  • より強力なコンジットジャンプ
  • New Eden最強の3スロットコマンドバースト

サルヴェーション(アマー) フリートの背骨。アーマーと戦場調整で味方を強化し、敵の力を吸い取る。少数フリートを部品の合計以上の戦力に変える

セマー(カルダリ) ※原文では「SEMR」 移動式コマンドセンター。シールド強化、フリート認識力向上、電子戦による敵システム妨害

ガイア(ガレンテ) 精密と圧力。機動性と連携を強化しつつ、敵を拘束して有利な交戦を強制。戦場の流れを支配する指揮官のための艦

エミール(ミンマター) 速度、適応性、生存力。回復力と機動性をブーストしつつ、ステイシスウェブファイターで敵を減速させ混戦に隙間を作る。速く戦い、共に戦うフリートのための艦


まとめ

Cradle of Warディープダイブは、メインキーノートの「ビジョン」を「実装」レベルまで落とし込んだセッションだった。特に注目すべきポイント:

  • Exordiumの設計思想 ── DScanなし、ウォーデックなし、ストラクチャー不可という徹底した安全設計だが経済的制限でファーミング天国にはさせない
  • キャンペーンの具体的報酬 ── スターゲート建設、星系改名、税率変更など、プレイヤーの集合的行動でNew Edenが恒久的に変わる
  • カオスコンプレックス ── 396通りのランダム効果でメタが毎回変わるFWプレックスは実験的だが面白い
  • スタンディング回復 ── -2から+3まで回復可能なキャンペーンは、FWのスタンディング問題に悩まされてきたプレイヤーにとって大きい
  • T2コマンドキャリアー ── 「New Eden最強のコマンドバースト」と「強化コンジットジャンプ」を持つフリート戦の新たな中核艦

6月9日のリリースまであとわずか。キャンペーン期間は6月から9月で、結果は冬の拡張に反映される。ミンマターのStarkmanir Restorationのプロパガンダ合戦、カルダリのシンジケート直通ゲート建設、アマーの減税政策──どの帝国を支援するか、今から考えておいた方がいいかもしれない。

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