一瞬の油断

2025年5月、Caldari輸送艦「Crane」がハイセクで撃沈され、その積荷の総額はおよそ1.5兆(1.5T)ISK。あるプレイヤーが、Redditに「もし突然1.5T ISKを手に入れたらどうする?」という投稿を上げた。

キルメール:zkillboard.com/kill/135404056

コメント欄ではすぐに「お前、あのCraneをルートした奴だろ」と特定され、投稿者もそれを否定しなかった。金額がぴったり一致していたのだから、隠しようもない。

積荷の正体――Pochvenの「レッドルート」

撃沈されたCraneに積まれていたのは、Pochven(ポクヴェン)のコンバットサイトで得られるInterstellar Data、いわゆる「レッドルート」だ。これはサイト攻略の報酬として得られるNPC買取専用アイテムで、Pochven外のNPCステーションに持ち出して売却することで初めてISKに変わる。

つまり、このCraneのパイロットはPochvenで稼いだ全収益を一括でハイセクに輸送しようとしていたわけだ。

1.5Tを稼ぐのにどれだけかかるか

この事件で最も注目すべきは、失われたISKの「重み」だ。Pochvenサイトを周回して得られるレッドルートをこれだけ蓄積するには、途方もない労力が必要になる。

被害者はPochvenの大規模マルチボクサーの一人だったとされている。あるユーザーは「おそらく今月分の稼ぎか、その一部だろう。複数回に分けて輸送していたうちの1回が運悪くやられた」と分析している。一方、別のコメントでは「10ヶ月間、毎日3〜4時間やってようやくその額だ」という見積もりも出ており、どちらにせよ気の遠くなるような作業量であることに変わりはない。

ゲーム時間に換算すると、Omega(月額サブスクリプション)が約2.5Bとして、1.5T ISKはおよそ600ヶ月分、つまり50年分のゲームタイムに相当する。あるコメンターは「約120年分のゲームタイムだ」とも計算しており、見積もりによって幅はあるが、いずれにしても天文学的な数字だ。

Pochvenの収益構造への疑問

この事件はPochvenの経済バランスについても議論を呼んでいる。もし本当にこれが「1ヶ月の稼ぎの一部」に過ぎないのなら、マルチボクサーがPochvenで得ている収益はゲーム全体の経済に対して無視できない規模になっている可能性がある。

コメント欄では「もしこれが複数回輸送のうちの1回分だとしたら、Pochvenには深刻な問題がある」という指摘もあり、CCPによる調整を求める声も見られた。Pochvenは実装当初からISK生成効率の高さが議論の的になってきたが、この事件はその問題を改めて浮き彫りにした形だ。

ルートを拾った者のその後

話はここで終わらない。1.5T ISKを手にしたmadpigi氏の使い道も注目を集めた。なんと、Redditへの投稿からわずか数時間後にタイタン(Ragnarok)を購入して出撃し、あっさり撃沈されている

キルメール:zkillboard.com/kill/135406837

しかもこのRagnarokにはDoomsday(タイタン専用の超兵器)はおろか、武器すらフィットされていなかったという。コメント欄では「タイタンで出撃してキルゼロ?こいつはひどい」と散々なツッコミを受けている。

いずれにしても、Pochvenに関してはその存在意義自体に疑問符がつく。ただのNoobビッグロスではない、金策における深刻なアンバランスさが明るみに出た一件と言える。


関連キルメール:

Share this content: