
The Spireリージョンが最近熱い。そしてその熱の中心にあったのが、Y4B-BQシステムにおける大型宇宙ステーション(ストラクチャ)、フォータイザー(Fortizar)を巡る攻防戦だ。ローカル最大1,500人、総被害額1.3T超という2026年屈指の大規模戦闘が繰り広げられた。
今回の記事では、この戦闘に「第三勢力」として独自参戦したFL33T/FIGL/LAWNのFC・BearThatCaresがRedditに投稿したAAR(After Action Report)をもとに、戦闘の経緯と背景をまとめていく。
戦闘の背景
この戦闘の発端は、Hard Knocks(HK)のFortizarがハル(最終)タイマーに入ったことだった。攻撃側はRMC(Real Men Coalition)で、USTZ(米国タイムゾーン)の戦力としてBIGABを傭兵として雇ったとされている。防衛側のHKも全力で人を集めていた。
ここでポイントとなるのは、RMCについてはRMT(リアルマネートレード)疑惑が以前から取り沙汰されていること。Redditのコメント欄でも「RMCのリーダーシップがRMTでBANされた後、BIGABはそのRMT資金で動いている」という指摘が複数見られた。一方のHK側にも、ゲーム外でのハラスメント(IRL threat=現実世界での脅迫)を示唆する発言があり、双方ともに物議を醸している状況だ。
FL33Tの立場:どちらの味方でもない第三勢力
この戦闘の語り部であるBearThatCares率いるFL33T/FIGL/LAWNは、どちらの陣営とも契約を結ばず、自費で参戦した完全な第三勢力だった。
彼らの目的はシンプル。「今年最大級の戦闘になりそうな場に飛び込んで、記憶に残る何かをやりたい」——それだけだ。
作戦プランは以下の通り:
- 主力同士の正面衝突には参加しない
- 孤立したターゲットを見つけてドレッドを投入する
- クリーンに撤退する
「キャピタルを投入したら回収できないかもしれない。でも記憶に残る戦いのためなら、その代償を払う覚悟はあった」とBearは語っている。
しかし、この「混沌としたスタンス」は一部から反発を買った。HKのFC・Jimbo(Jimmy Michaels)はDiscordで「お前らもRMCと同じようにゲーム外で嫌がらせリストに入れてやる」と脅迫。B0SSアライアンスは「こっちにつかないなら戦闘自体をブルーボールにする」と圧力をかけてきたという。
戦闘経過
Part I:開戦と観察
戦闘はRMCのナイトメア艦隊がFortizarグリッドから離れた位置で長距離ドレッドと共に交戦を開始したことで幕を開けた。HK/B0SS/SEDIT連合もナイトメアをブリッジイン。さらにBIGABが大規模なナイトメア艦隊を投入し、メインイベントが始まった。
FL33Tはこの段階では観察に徹していた。どちらの艦隊にも正面から戦える戦力ではなかったからだ。
Part II:チャンス到来、ドレッド投入
HK/SEDIT/B0SSがナイトメアに対してT1ドレッドの小部隊を投入した際、1隻が大きくバンプされた。さらに、そのバンプされたドレッドの方向に100〜150km離れた位置に別のドレッド艦隊がジャンプイン。
ビンゴ。
FL33Tはドレッドをミッドポイントに移動させ、サブキャピタルをブリッジイン。バンプされたドレッドの処理を開始した(「トルピードじゃなくてクルーズミサイルを持ってきたことを後悔した」とのこと)。
システム内のTiDi(Time Dilation)はかなり酷かった。ノードが強化されていなかったためだ。しかし、TiDiのおかげでレッドタイマーの消化が戦闘進行より速く進み、結果的に5分間の待機時間で「この戦いが孤立した局地戦になる」ことを確認できた。
FL33TはT1レベレーションを投下し、敵ドレッドを次々と撃破。HKがFL33Tの待機戦力を上回るエスカレーションをしたため、T1ドレッドボムを見切りで使い切り、サブキャピタルでのドレッド狩りに切り替えた。
Part III:BIGABの乱入とさらなるエスカレーション
サブキャピタルで何隻かのドレッドを削った後、BIGABがナイトメア戦よりFL33TとHKの局地戦の方が面白いと判断し、大量のジルニトラ(Zirnitras)を投入してきた。HKもエスカレーション。BIGABもさらにエスカレーション。
FL33Tの残りのドレッドパイロットたちはこう叫んだ:
「俺たちはどうする?」
「グリッド上の状況見えてるか?」
「知るか!やらせろ!」
仕方ない、やるか。FL33Tは巨大なドレッドボールからできるだけ離れ、端にいる10〜20隻のドレッドに狙いを定めて残りのドレッドを全投入。指示はシンプル:「全力でキルして、さっさと逃げろ」。
Part IV:撤退——ムーンウォーク
ドレッド戦が収束し始め、BIGABの砲がFL33Tのキャピタルにも向き始めた。潮時だ。このまま残れば「デザート」にされる。
FL33Tはディクターを片付け、スマートボムでバブルを処理。近づきすぎたBIGABのマカリエルも1隻撃沈。
そしてムーンウォークで華麗に撤退。お疲れ様でした!
戦闘後の反響
戦闘後、PraisebobからBlack Ops共同ハンティンググループまで、あちこちのDiscordが騒然となった。共通の疑問はひとつ:
「FL33Tは一体何をしてたんだ?」
最後にBIGABと撃ち合い始めるまで、全員がFL33TはBIGAB側だと思っていたのだ。
BearThatCaresの回答:「正直、俺たちにも分からない。でもそれでいい。俺たちが何をしてるか分からなければ、敵にも分かるはずがない。」
Redditコメント欄から見える反応
投稿はUpvote 139、コメント79と大きな反響を呼んだ。主なコメントをピックアップしてみよう:
- manshowerdan: 「ローカル最大1,500人。今まで参加した中で最大の戦闘だった o7」(+30)
- muhgunzz(Black Legion.): 「EVEはこうあるべきだ」(+12)
- flatterpillo97: 「ヌルセクの仕組みが問題だったんじゃない。ヌルセク住民のリスク回避志向が問題だったんだ」(+15)
- Askger1337: 「死んだミンマターアライアンスに114キャラ?Casperのマルチボクシングすごいな」(+24)
- PHGAG: 「ゲーム外での脅迫ってToS違反じゃないの?友人に聞かれたんだけど…」(+7)
ドローンランドの地政学に関する議論
コメント欄ではドローンランドの現状についても興味深い議論が展開された。Goonswarm連合などの超大型勢力がドローンランドから実質的に排除されたことで、小規模な独立アライアンスが拠点を構え、今回のような混沌とした戦闘が可能になったという分析だ。
また、ドローンランドは地理的にキャピタル・スーパーキャピタルの搬入が困難(最低1回はゲートtoゲートが必要)で、現地生産するしかないケースも多い。このため「スーパーキャピタルの脅威が少なく、ドレッドでのエスカレーションが起きやすい」環境になっているとの指摘もあった。
対照的に、Init(The Initiative.)の領域では「T1クルーザー数隻のロームにスーパー2隻を落としてくる」とのエピソードも紹介されており、ドローンランドの独自性が浮き彫りになっている。
まとめ
この戦闘は、2025年のEVE Onlineにおけるベストファイトの候補になりうる一戦だ。
- 総被害額:1.3T ISK超
- ローカルピーク:約1,500人
- 参加勢力:RMC + BIGAB vs HK/B0SS/SEDIT + FL33T/FIGL/LAWN(ただしFL33Tは独立行動)
- 結果:FortizarはRMC/BIGAB側が破壊に成功
番外編
我らSGGRNは当初HK/LZHWK側とは敵対していたが、HOLD MY PROBSがドローンランドに来るとわかるとすぐに協力関係になった。AUTZは規模が格段に低くなるがロシアンが活動可能な時間帯であり、散発的にではあるがSGGRNとRMC/HOLD MY PROBSとの戦闘が発生している。
https://br.evetools.org/related/30001586/202603121200
なお、ShadowCartelはHK側に参戦したが、タイムゾーンを分けてSGGRNとは引き続き戦闘をしている。この絶妙なコンテンツバランスのとり方はLowsecからの腐れ縁である。
RMT資金疑惑、ゲーム外脅迫、第三勢力の乱入——ドローンランドのカオスは今後も続きそうだ。
The Spireから目が離せない。
元Reddit投稿: r/Eve BearThatCares
Share this content: